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世界で一人だけの君へ
第8章  アイドルになる?!
「改めてご挨拶させていただきます。
 stampのチーフマネージャーをしている
 酒井と申します。
 あ、偶然にも同じ名前だね。
 僕は酒の方だけど。

 今日は突然のご連絡申し訳ありません。
 JYOは閃きで生きている男なので普通のかたは戸惑われると思いますが嘘でも詐欺でもありませんから安心してください」

そう言って母と僕に名刺を差し出した。
もちろん目の前の光景を見て詐欺とはもう思わない。

「とにかくstampのライブ見ていってよ。
 話しはそれからだね」

そういうと客入れの始まった客席のど真ん中に案内してくれた。

「ライブが終わったらお迎えに来ますのでここにいてくださいね」

俺たちは現実が呑み込めないまま、返事もできずに呆然としていた。



会場が暗転され興奮したファンの歓声があがる。

前奏が始まりスポットに照らされたstampが登場すると会場の歓声は悲鳴に変わる。


僕は完全に呑まれていた。


この何万という女性達に囲まれ笑顔で手を振るstampのメンバー。
なかには失神して運ばれてしまう子もいる。

アイドルなんてチャラチャラした奴等のやることだと思っていたけど...
彼らは真剣だ。

ここにいるファンにむかって最高のパフォーマンスを見せようとしている。

甲子園での歓声も気持ちよかったけど
この距離感で直に受ける歓声と興奮。


スゴい...


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