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世界で一人だけの君へ
第9章 アイドルの道
翌週に母親と事務所に行き契約書を交わした。
これで僕はJYO事務所の商品のひとつとなった。
秋のドラマはもうすぐデビューするsteamのメンバーが主役を務める。JYO事務所から何人もキャストが送り込まれていた。僕もその一人。僕はかなり出番の少ない方。
とはいえ契約したばかりでstampのバックで踊ったり、チョイ役でもドラマの話が来たりと僕は恵まれている。
7月に入り前期試験に突入した。
講義の数が多いだけに試験勉強も膨大だ。
この頃には関西の美大へ進学した優衣とは疎遠になっていた。このまま自然消滅かな。
試験が終わると共にライブのレッスンが待ち構えていた。
出遅れた俺は早目に行ってみんなが帰ってからも可能な限り居残り、振りを頭に叩き込む。
『まだやってたんだ熱心だね』
その声に振り向くとダンスシューズに履き替えている樹村くんの姿が見えた。
時計を見るともう10時過ぎ
『あ、おはようございます。
こんな時間まですみません』
僕は振り向き挨拶をした。
『坂井くん だっけ?
こんな時間までよく続くね。
やっぱり体力あるな』
樹村くんは僕に近付き笑顔を向けてくれる。
『いえ、出遅れてるだけなんで...
それにいまいち振りがわからなくて』
素直に本音を吐く。
『どこがわからないの?』
『3曲目に入る繋ぎですかね...』
『あそう。曲流すからやってみてよ』
樹村くんは曲を流すと僕の正面に立った。
僕は教えられた通りなんとか踊ってみる。
『OK、わかった。
俺も今から始めるから柔軟から一緒にやろう』
『あ、はい』
体は充分ほぐれていると思っていたけど樹村くんに言われるまま樹村くんと同じ動きを真似する。
これで僕はJYO事務所の商品のひとつとなった。
秋のドラマはもうすぐデビューするsteamのメンバーが主役を務める。JYO事務所から何人もキャストが送り込まれていた。僕もその一人。僕はかなり出番の少ない方。
とはいえ契約したばかりでstampのバックで踊ったり、チョイ役でもドラマの話が来たりと僕は恵まれている。
7月に入り前期試験に突入した。
講義の数が多いだけに試験勉強も膨大だ。
この頃には関西の美大へ進学した優衣とは疎遠になっていた。このまま自然消滅かな。
試験が終わると共にライブのレッスンが待ち構えていた。
出遅れた俺は早目に行ってみんなが帰ってからも可能な限り居残り、振りを頭に叩き込む。
『まだやってたんだ熱心だね』
その声に振り向くとダンスシューズに履き替えている樹村くんの姿が見えた。
時計を見るともう10時過ぎ
『あ、おはようございます。
こんな時間まですみません』
僕は振り向き挨拶をした。
『坂井くん だっけ?
こんな時間までよく続くね。
やっぱり体力あるな』
樹村くんは僕に近付き笑顔を向けてくれる。
『いえ、出遅れてるだけなんで...
それにいまいち振りがわからなくて』
素直に本音を吐く。
『どこがわからないの?』
『3曲目に入る繋ぎですかね...』
『あそう。曲流すからやってみてよ』
樹村くんは曲を流すと僕の正面に立った。
僕は教えられた通りなんとか踊ってみる。
『OK、わかった。
俺も今から始めるから柔軟から一緒にやろう』
『あ、はい』
体は充分ほぐれていると思っていたけど樹村くんに言われるまま樹村くんと同じ動きを真似する。