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世界で一人だけの君へ
第10章 出逢い
呆然と見送っていたが、自分も急がなければ間に合わないことに気づき彼女の後ろに並んだ。
「そのデザイナーさん私も好きです」
僕の手にある本をみて彼女がいった。
「え?!
あ、いいですよね」
僕は勝手に彼女の《好き》という言葉に反応してドキドキしていた。
会計が終わった彼女は
「ありがとうございました」
と笑顔を残して店から出ていった。
「3500円です」
店員の声に我にかえる。
会計を済ませ店を出たが彼女の姿はもうなかった。
なんかちょっとがっかり。
趣味の合う彼女ともう少し話がしたい...
俺は珍しく出会ったばかりの彼女が気になった。
樹村くんから指定された店はカウンターだけの雰囲気のあるショットバーだった。
さすが樹村くん裏切らない。
でも僕はこんな店慣れてない上に未成年だから酒も飲めない。
仕方なしカウンターの奥の空いている席に向かった。
店には客が3人。
サラリーマンとおぼしき客はバーテン相手に話し込んでいる。
そのとなりはアラフォーとみられるキャリアウーマンが水割りを飲みながらパソコンを叩いている。
その奥には画集を開いている女性。
僕はその女性の画集をチラリとみて
女性の顔を覗きこんでしまった。
「あの...」
思わず声をかけた。
ふと見上げた女性はあっと驚きながら微笑んだ。
「さっきの書店で...」
「やっぱりそうですか」
「お一人ですか?良かったらお隣どうぞ」
と荷物をどかして勧めてくれた。
ーーまぢこの展開...
ああ...でも...
「あ、待ち合わせで」
僕は明らかに残念そうな声を出してしまった。
「あら」
それに気づいたのか女性がクスクス笑う。
「私も待ち合わせしてるんです。
まだ時間があるのでお連れの方が見えるまで良かったらお話ししません?」
と勧めてくれる。
断る理由はない。
「では、連れが来るまでご一緒させてください」
俺の口から他人のような言葉が出てくる。
俺じゃないみたいだ。
カッコつけてるな。
自分で笑えた。
「そのデザイナーさん私も好きです」
僕の手にある本をみて彼女がいった。
「え?!
あ、いいですよね」
僕は勝手に彼女の《好き》という言葉に反応してドキドキしていた。
会計が終わった彼女は
「ありがとうございました」
と笑顔を残して店から出ていった。
「3500円です」
店員の声に我にかえる。
会計を済ませ店を出たが彼女の姿はもうなかった。
なんかちょっとがっかり。
趣味の合う彼女ともう少し話がしたい...
俺は珍しく出会ったばかりの彼女が気になった。
樹村くんから指定された店はカウンターだけの雰囲気のあるショットバーだった。
さすが樹村くん裏切らない。
でも僕はこんな店慣れてない上に未成年だから酒も飲めない。
仕方なしカウンターの奥の空いている席に向かった。
店には客が3人。
サラリーマンとおぼしき客はバーテン相手に話し込んでいる。
そのとなりはアラフォーとみられるキャリアウーマンが水割りを飲みながらパソコンを叩いている。
その奥には画集を開いている女性。
僕はその女性の画集をチラリとみて
女性の顔を覗きこんでしまった。
「あの...」
思わず声をかけた。
ふと見上げた女性はあっと驚きながら微笑んだ。
「さっきの書店で...」
「やっぱりそうですか」
「お一人ですか?良かったらお隣どうぞ」
と荷物をどかして勧めてくれた。
ーーまぢこの展開...
ああ...でも...
「あ、待ち合わせで」
僕は明らかに残念そうな声を出してしまった。
「あら」
それに気づいたのか女性がクスクス笑う。
「私も待ち合わせしてるんです。
まだ時間があるのでお連れの方が見えるまで良かったらお話ししません?」
と勧めてくれる。
断る理由はない。
「では、連れが来るまでご一緒させてください」
俺の口から他人のような言葉が出てくる。
俺じゃないみたいだ。
カッコつけてるな。
自分で笑えた。