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世界で一人だけの君へ
第10章  出逢い
俺は勝手に頭のなかで妄想して
勝手に落ち込んでいた。


「坂井どうした?」

樹村くんがドリンクを飲み干しながら言う。


「いえ、何もないです」

隣の彼女はクスクス笑う。


「ねえ、璃子ちゃん

 コイツどう思う?」


樹村くんは僕の前を被りなから彼女にはなしかけた。


「どう?」


彼女は不思議そうに聞く。


「んー。
 ま、売れるかどうかってこと」

彼女が僕を見つめる。

「彼次第じゃないですか」


「ん、なるほどね」


今度は樹村くんが見つめる。


「坂井、お前の本心言えよ」


真剣に見つめられて動きが止まる。


「本心...ですか?」


「きっかけはどうあれお前自身はどうなのよ」


そういわれても自分が一番分かっていないのに本心と言われても...


それに、正直いまはそれどころじゃない
というか、この状況説明してください。


彼女の待ち人は樹村くんだったんですか?




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