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世界で一人だけの君へ
第10章 出逢い
「...正直、戸惑ってます。
俺よりずっと前からアイドルになりたくて頑張ってきた子を差し置いて、突然現れた俺がいきなりデビューなんて...申し訳ない気もします」
「本気でそんなこと思ってる?」
樹村くんの目は怒っているように見える
「はい...」
「お前さ高校のとき1年からレギュラーだろ
そんときはなんとも思わなかったの?」
樹村くんの質問に高校時代を思い返してみる。
「あ...野球に関しては子供の頃から必死に練習してましたし、甲子園に出ることが夢だったし...
そりゃ先輩に嫌味を言われたり、つまらない意地悪もされましたが、甲子園で勝つために俺が選ばれたと思ってましたから、あまり気にしなかったです」
樹村くんがフッと笑う
「一緒だよ」
「一緒?」
意味がわからず聞き返す。
「芸能界なんて一生懸命やって来たから売れるって訳じゃない。
才能、運、センスいろんなものが噛み合って芸能人としてやっていける。
でも売れて残れるのはほんの少し。とてつもないピラミッドの頂点だよ。
だからな、頑張ってきたヤツにこそ教えてやらなきゃいけないんだ。
違う道を選べって」
「...」
「お前はすでにお前の努力で得た名声と人気がある。
まず、それをつかむまでの道のりが大変なんだよ。
だけど、お前は既に持っている。
利用しない手はない」
俺よりずっと前からアイドルになりたくて頑張ってきた子を差し置いて、突然現れた俺がいきなりデビューなんて...申し訳ない気もします」
「本気でそんなこと思ってる?」
樹村くんの目は怒っているように見える
「はい...」
「お前さ高校のとき1年からレギュラーだろ
そんときはなんとも思わなかったの?」
樹村くんの質問に高校時代を思い返してみる。
「あ...野球に関しては子供の頃から必死に練習してましたし、甲子園に出ることが夢だったし...
そりゃ先輩に嫌味を言われたり、つまらない意地悪もされましたが、甲子園で勝つために俺が選ばれたと思ってましたから、あまり気にしなかったです」
樹村くんがフッと笑う
「一緒だよ」
「一緒?」
意味がわからず聞き返す。
「芸能界なんて一生懸命やって来たから売れるって訳じゃない。
才能、運、センスいろんなものが噛み合って芸能人としてやっていける。
でも売れて残れるのはほんの少し。とてつもないピラミッドの頂点だよ。
だからな、頑張ってきたヤツにこそ教えてやらなきゃいけないんだ。
違う道を選べって」
「...」
「お前はすでにお前の努力で得た名声と人気がある。
まず、それをつかむまでの道のりが大変なんだよ。
だけど、お前は既に持っている。
利用しない手はない」