この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
世界で一人だけの君へ
第10章 出逢い
テイクが5回、6回と積み重なっていくと
撮影の雰囲気も変わってきた。
ーーそうだよな。こんなシーンなくても...
監督たちが集まりこのシーンを無くす話を始めている。
「あのー。ちょっとすみません」
璃子さんの声だ。
「だれかジャージ持ってません?」
「ジャージ?!」
監督は突然の璃子さんの言葉に眉を潜めた
「そう、ジャージです」
「俺ので良ければ」
スタッフの一人がジャージを持ってきた。
「お借りします」
といってジャージを受け取った彼女は
僕の腕をつかみ
「3分ください」
といってテントに入った。
「これに着替えて」
状況が飲み込めない俺
「早く!」
言われるままジャージに着替える。
「演技なんてしたことないでしょ。
自分の土俵で戦えばいいの。
ランニングしてたら友達に会った。
だから声をかけた。
それだけのことよ」
ーーああ、そうか。
ドラマとはいえ、日常なんだ
急いで着替えた僕の手を璃子さんが掴んだ。
「大丈夫よ」
その言葉とともに不思議な感覚が流れ込んできた。
なんだろう、この感覚...
どこかで感じたことがあるような
俺は大きく深呼吸をして
璃子さんの見つめる瞳に向かって頷く。
撮影の雰囲気も変わってきた。
ーーそうだよな。こんなシーンなくても...
監督たちが集まりこのシーンを無くす話を始めている。
「あのー。ちょっとすみません」
璃子さんの声だ。
「だれかジャージ持ってません?」
「ジャージ?!」
監督は突然の璃子さんの言葉に眉を潜めた
「そう、ジャージです」
「俺ので良ければ」
スタッフの一人がジャージを持ってきた。
「お借りします」
といってジャージを受け取った彼女は
僕の腕をつかみ
「3分ください」
といってテントに入った。
「これに着替えて」
状況が飲み込めない俺
「早く!」
言われるままジャージに着替える。
「演技なんてしたことないでしょ。
自分の土俵で戦えばいいの。
ランニングしてたら友達に会った。
だから声をかけた。
それだけのことよ」
ーーああ、そうか。
ドラマとはいえ、日常なんだ
急いで着替えた僕の手を璃子さんが掴んだ。
「大丈夫よ」
その言葉とともに不思議な感覚が流れ込んできた。
なんだろう、この感覚...
どこかで感じたことがあるような
俺は大きく深呼吸をして
璃子さんの見つめる瞳に向かって頷く。