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世界で一人だけの君へ
第2章  15の春
ビックリして目を見開く槇さん

こんな子供の俺がキスをしてるって...

焦っている彼女の方が子供っぽくて


可愛い


もう少しこのまま


キスしててもいいかな?


必死に体を放そうとする彼女の顔を
逃がさないように手に力を込めた。

僕が夢心地に浸っていると
突然わき腹をくすぐられた。

「ぶぶぶっ」

彼女の口に思いっきり空気を入れてしまった。

その弾みで唇が離れる。


ああ...


「田辺くん台本読み込みすぎ」

「台本?」

「そうよ。彼女との初めてのキスシーン。

 確かベンチで膝枕してもらって
 って感じでしょ」

ああ...そんなシーンあったかも。

でも今のは完全に僕のオリジナルなんだけど...

まっ、そう思われた方がいいかな。

「あ、バレちゃいました?
 どんな感じかわからなくて
 ちょうどいいなと思ってリハさせてもらいました」

かなり残念な気分だけど...
笑ってごまかす。

「まったく勉強熱心だこと。
 リハは完璧ね。
 でもそのシーン撮りはまだ先なんじゃない?」

彼女は軽く僕の鼻を摘まむ。

いたずらっ子をたしなめるみたいな楽しそうな笑顔を僕に向けて。


なんかホントに恋人同士みたいじゃないか。
この感じ 悪くない
っていうか...



あれ?!ドキドキする。






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