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はつこい
第8章 絶望の先
次の日、寝不足のまま遥斗と待ち合わせた。
場所は大学の近くのあの公園だ。
濃いピンクの桜の下で遥斗を待った。
風が吹く都度、ひらひらと花びらが舞い落ちる。
とても綺麗だけど儚くて切なくて、見ていると少し辛くなった。
約束の時間より5分ほど遅れて、遥斗がやってきた。
遥斗は会った時から沈痛な面持ちをしていた。
その顔で聞かずとも遥斗が言いたいことが分かった。
「あのさ、遥斗。
肩、貸してくれるかな?」
そう言うと、遥斗はあたしをそっと抱き寄せてくれた。
あたしは遥斗の肩に顔を埋めて泣いた。
遥斗も泣いていた。
このまま涙と一緒に身体ごと溶けて流れてしまえたらどんなに楽だろうと思った。
暫くそうした後、あたしは涙を拭って遥斗に笑顔を向けた。
「今までありがとう」
と言うと、遥斗は俯いたまま「うん」と言った。
「じゃあ、あたし行くね」
と言うと、
「・・・ゴメン」
と呟いた。
場所は大学の近くのあの公園だ。
濃いピンクの桜の下で遥斗を待った。
風が吹く都度、ひらひらと花びらが舞い落ちる。
とても綺麗だけど儚くて切なくて、見ていると少し辛くなった。
約束の時間より5分ほど遅れて、遥斗がやってきた。
遥斗は会った時から沈痛な面持ちをしていた。
その顔で聞かずとも遥斗が言いたいことが分かった。
「あのさ、遥斗。
肩、貸してくれるかな?」
そう言うと、遥斗はあたしをそっと抱き寄せてくれた。
あたしは遥斗の肩に顔を埋めて泣いた。
遥斗も泣いていた。
このまま涙と一緒に身体ごと溶けて流れてしまえたらどんなに楽だろうと思った。
暫くそうした後、あたしは涙を拭って遥斗に笑顔を向けた。
「今までありがとう」
と言うと、遥斗は俯いたまま「うん」と言った。
「じゃあ、あたし行くね」
と言うと、
「・・・ゴメン」
と呟いた。