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女鑑~おんなかがみ~
第16章 献身
言われるままに堅気風の地味な着物に着替え,置屋のおかあさんに付き添ってもらって交番に出向くと,小さな交番だというのに巡査が五,六人も物珍しそうに集まっていた。
五十を過ぎた巡査は,「まあ,士族の由緒ある家の子息やということやから,お父上を引受人にして帰ってもろうたけど,本来やったら,ずっと豚箱におってもらうところや」
と恩着せがましく言った。
そこへほかにも何人か,巡査たちが,面白そうにして集まって口々に言う。
「君が,あの,知る人ぞ知る名妓か。」
「十四歳の若さでみやこ呉服の旦那を色仕掛けで篭絡し,あの店の大きな蔵が空になるまで反物を貢がせたという手練手管の持ち主ってあんたはんのことか」
「君,そんな悪女にひっかかったらイチコロやで,気を付けや」
「自分は今日は非番で・・・・。みやこ呉服を傾かせる傾城の美女,楊貴妃のような舞妓と噂に聞いて,一度はこの目で見てみたいと・・・」
「それにしては,意外と普通やねえ」

最初は何の話をしているのか,小紫は全く理解できなかった。
おかあさんが困惑して
「こんな子,何も大したことおまへん。なんぼほど話に尾ひれがついたらそんなことになりますのやろ」と言ったのを聞いて,初めて自分のことだとわかり,手で顔を覆って俯いた。
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