この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女鑑~おんなかがみ~
第10章 追懐
若槻は、自分が前面に出ることは避けながら、知人である斡旋業者、金融業者、代書人などを紹介して倉持家の財産を処分した。
操子の父である猛は母である淑子と離縁して家督を家付き娘である母に譲り、新たな好機を求めて大陸へ旅立った。それがどのような結果になるかはわからなかったが、倉持家の財産がこれ以上食いつぶされるのは防げることになった。
家督を譲られた淑子は、分家の次男である従弟の補佐を受けることとなり、実質的には家や屋敷は分家の管理するところとなって、淑子は最古参の女中であるマツのみとともに、分家の離れに住まうこととなった。
そして、万が一孝秀の行方が分かったときには、孝秀が家督を継げるような膳立てが行われた。
そんななかで、操子は十年の年季でむらさき屋に住み込むこととなった。

母は当然ながら、操子も一緒に分家で世話になるようにと懇願したが、操子の意志は堅かった。さらに、分家では母一人を世話するのも迷惑顔であったため、母もそれ以上何も言えなかった。むしろ、操子の身売りによって、当面の借金をかなり返済することができ、分家で世話になる母の肩身の狭さが少しは緩和されたといってよかった。

操子が、卒業まで数か月を残した状態で女学校を退学し、涙一つ見せず両親と分家の親戚に暇乞いをし、風呂敷一つの荷物のみを持って口入屋とともに家を離れたことを、若槻は口入屋から聞かされて驚嘆し、同時に苛立ちと、もどかしさを感じた。

それだけは嫌だとなぜ言わないのか。
そうしたら俺がいくらでも別の手立てを考えてやる。
自分が救ってやることもできる。

若槻にとって、操子の身売りというのは、半ば脅しのつもりで口にした話だったのだが、猛が乗り気になり、まさかと思っていた操子がすぐに承諾し、若槻にとっても後に引けなくなったなかで、いわばとんとん拍子に進んだ。

若槻はその間、操子の行く末を想像するたびに、情欲が湧き上がるのを感じ、一人で精を吐いた。
女学校の制服を着ているときも、家で和服で茶を立てるときも、品行方正を絵にかいたような娘は、好きでもない相手に身体を開かれるとき、どんな顔をするのか。
残酷な想像を巡らせては自分を慰めた。
/185ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ