この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女鑑~おんなかがみ~
第13章 水揚げ
葵は,盆の上の銚子を持ち上げて尋ねた。
「あ,ありがとうございます。あ,あの,お酒はいかがですか」
それまでのはきはきした物言いに,焦りや緊張が混じるようになったことに,若槻は気づいた。
「ありがとう。それなら一杯だけいただこう」
若槻は,葵が銚子から猪口に注いだ酒を一口で一気に飲み干した。そして,葵が次を注ぐべきかと持ち上げようとする銚子を強引に取り上げて卓に置き,そのまま葵の肩を後ろから抱き,襦袢の合わせ目から手を入れ,乳房を乱暴に掴んだ。
「あ,きゃあ,いや,やめて,あ,おやめください」
不意を突かれた葵は,若槻の腕の中で,なんとか逃れようと身をよじる。
若槻は,それをしばらくは許し,乳房からも手を離した。そして,
「君は覚悟ができているんじゃなかったのか」
と低い声で問うた。
「あ,え,…………申し訳ありません」
「わかったのならよい。次は逆らうな。」
「……はい」
再び同じことを繰り返し,襦袢の合わせ目から執拗に身体を触る。
年齢にしては発達が遅いのか,乳房は芯が固く,若槻が掴んで揉むたびに,少女は顔をしかめた。その姿は,先ほどまでの堂々とした態度とは別人のような幼げに見えた。
それでも,今度は決して逃げようとしない。
固く唇を噛みしめ,涙を浮かべながら,ただ不快感に耐えているという様子だ。
「急で驚いただろう。辛かったのか」
「……い,いえ,お気遣いありがとうございます」
首筋に脂汗が滲み,鳥肌まで立っている。
それでも,辛いとは言わない勝気さを,若槻は気に入った。
涙を浮かべながら身体を固くして,襦袢の合わせを直そうとする葵を,若槻は抱き上げて布団の上に載せた。
「しばらくは辛いだろうが,じきによくなる。
辛ければ泣いてもいいんだぞ。」
若槻がそういうと,葵は,あふれかけていた涙を手の甲で拭い,
「お気遣いありがとうございます」と言って顔を背けた。
「あ,ありがとうございます。あ,あの,お酒はいかがですか」
それまでのはきはきした物言いに,焦りや緊張が混じるようになったことに,若槻は気づいた。
「ありがとう。それなら一杯だけいただこう」
若槻は,葵が銚子から猪口に注いだ酒を一口で一気に飲み干した。そして,葵が次を注ぐべきかと持ち上げようとする銚子を強引に取り上げて卓に置き,そのまま葵の肩を後ろから抱き,襦袢の合わせ目から手を入れ,乳房を乱暴に掴んだ。
「あ,きゃあ,いや,やめて,あ,おやめください」
不意を突かれた葵は,若槻の腕の中で,なんとか逃れようと身をよじる。
若槻は,それをしばらくは許し,乳房からも手を離した。そして,
「君は覚悟ができているんじゃなかったのか」
と低い声で問うた。
「あ,え,…………申し訳ありません」
「わかったのならよい。次は逆らうな。」
「……はい」
再び同じことを繰り返し,襦袢の合わせ目から執拗に身体を触る。
年齢にしては発達が遅いのか,乳房は芯が固く,若槻が掴んで揉むたびに,少女は顔をしかめた。その姿は,先ほどまでの堂々とした態度とは別人のような幼げに見えた。
それでも,今度は決して逃げようとしない。
固く唇を噛みしめ,涙を浮かべながら,ただ不快感に耐えているという様子だ。
「急で驚いただろう。辛かったのか」
「……い,いえ,お気遣いありがとうございます」
首筋に脂汗が滲み,鳥肌まで立っている。
それでも,辛いとは言わない勝気さを,若槻は気に入った。
涙を浮かべながら身体を固くして,襦袢の合わせを直そうとする葵を,若槻は抱き上げて布団の上に載せた。
「しばらくは辛いだろうが,じきによくなる。
辛ければ泣いてもいいんだぞ。」
若槻がそういうと,葵は,あふれかけていた涙を手の甲で拭い,
「お気遣いありがとうございます」と言って顔を背けた。