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テラピー日報
第1章
その日のスケジュールは暇だった。
開店直後、ご来店になったお客様は、5分後に来ると予約され宿泊施設に戻っていく。
今から5分後だと私できないから同僚だな。
「キキ、5分後1時間宿泊客」
「オッケー」
「フット多め
私、フロント行くからよろしく」
そう言い残し彼女は店から出てフロントへ向かった。
1時間後、彼女と同僚はリラクゼーション施設のフロントで道行く人を眺めている。
「おっ、メニュー見てる。
声かける?」
「んー、ファミリーか。
子がちっこいから無理だな」
暫し、2人黙ってフロントの陰からメニューの看板を眺めている人を観察する。
程なくして、子どもに即されるようあるきだすファミリー。
「ほらね。
ファミリーで子がちっこいとそうなるよね」
人を眺めているのに飽きた彼女は、あと宜しくと雑務をこなす為、店に入っていった。
「何、暇」
「あ、お帰りー
朝1、1人!」
出張サービスから戻ったもう1人の朝出の同僚が出勤してきた。
「昨日朝から忙しかったよ」
「今日は暇だよ
何時間?」
「3時間、今日ははやめに帰る」
「何時出」
「8時15分前」
「私も暇だったら帰ろっかな」
「お腹空いたからメシに入る!」
「オッケー」
お昼には少し早い時間。
そんなやる気の無い会話を続けながら午前の雑務を彼女はこなしていた。