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Sugar Box
第11章 愛を知らないヒメ初め* 上 *
「はい・・・」
「洗う前に、舐めてもいい?」
「えっ・・・・・・」
「れい君の体臭が濃いココを味わいたいな。ダメかい?」
「っ、どうぞ・・・」
拒否権などない。そのルールを知っていても男たちは、毎回質問してくる。なにが楽しいのかさっぱりだ。
いったい何度この身を堕として来ただろうか。きっと〝好き〟だと赤面してくれた人は、こんな僕を想像もしないだろう。感情に疎いと言った瞬間に大抵の人がなにを思うかくらい僕も知っている。
〝色恋沙汰に疎い〟のだと、思うのだろう。彼もきっと思ったに違いない。しかしそんな感情を知らずともベッドは、供に出来るものだ。
それを身にしみて僕は、知っている。だから逃げ出した。彼に僕が相応しくないから。他校の先輩でよかった。
逢おうとさえしなければ逢うこともないのだから。
きっと逢えなければすぐに忘れる。