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Sugar Box
第11章 愛を知らないヒメ初め* 上 *
顔を背けるとそう囁かれた。
「シャワー、浴びていいですか。」
「もちろん。でも、一緒に入ろう。」
選択権などない。答えを待っている男に小さく頷くと抱いていた手が離れた。
「さぁ、行こうか。」
手を握られてそのまま中へと引っ張られる。
感情など要らない。もしも彼の僕に向けてくれる感情の一部でも知ってしまったら・・・こんなことは、出来なくなる。
出来なくなれば、居場所を失う。両親の居ない僕の居場所は、叔父の傍だけ。成人もしていないたいした学歴もない僕が居場所を失うのは、得策ではない。
だから真剣な彼とは、無理なのだ。こんなにも穢れた・・・僕なんかではなくって・・・花のように可愛らしい女性と周りから祝福されて欲しい。
僕が応えられない代わりにそんな彼の未来を望んでは、イケないだろうか。
「れい君。さぁ、汗を流そうか・・・」