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Sugar Box
第14章 キスをあげる
【 キスをあげる 】
〝大切〟・〝愛しい〟・〝傍に居たい〟そんな感情を手に入れるなどもっと先か・・・それとも、一生ないものだって勝手に思っていた。
「玲ちゃん、開けて。」
「どうしたんですか、コレ!?」
1年前の付き合って初めてのバレンタインで彼に手渡されたのは、ペンダント。どう見ても値が張るように見えた。
「受け取って。」
「でも、コレッ・・・・・・」
「いいんだって。あげたいから、バイト頑張ったし。」
にこにこと相変わらずの人懐っこい笑顔に返すことは、出来なくなった。
「ありがとう、ございます・・・」
「玲ちゃん。気に入らなかった?でも・・・玲ちゃんには、紫が似合うよ。」
気遣ってくれる言葉が嬉しいのだが上手く返せない。経験のない自分には、どうしたらいいのか判らなかった。