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Sugar Box
第14章 キスをあげる
「大丈夫です。いつもちゃんと扱ってもらっています。」
優しい彼に笑顔で返す。本当に大切にしてもらっている。
「玲・・・・・・」
「こうして一緒に居てくれるだけで嬉しいです。」
「欲がないなぁ。」
苦笑しながら言われた。それでも真実だ。
同姓のカップルと言うだけである意味ハンディなのに彼は、いつも気遣ってくれる。こちらから歩み寄らなくても付かず離れずの距離を保って傍に居てくれる。
そんな彼にお返しがしたかったのに結局は、されてばかりだ。
「乃さん・・・指輪、買いましょうか。」
咄嗟に出た言葉だ。自分でも驚いた。
「本気か・・・?」
「ええ、いつでも本気ですけど・・・。」
身体を起こされて彼に問われた。
「玲・・・・・・あのさ。」
「はい。」
彼が緊張している。
「渡したい物が・・・あるんだよね。」