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Sugar Box
第14章  キスをあげる
  


 唇をそっと重ねる。まるで情事もなにも知らぬふりのようなキス。


「玲・・・・・・好きだ。」


「僕もです。」


「そうだ。チョコレートケーキを頼んだんだ。」


「はい?」


 唇を離し開口1番に言われたことが理解出来ない。


「バレンタイン。去年は、生クリームにしただろう?今年は、ちゃんとチョコレートにしたからな~一緒に食べよう。」


「ええ、そうですね・・・」


 彼がバレンタインの準備を着々と進めていることを知った。


「ごめんな。」


「なにがですか?」


「本当はさ。バレンタイン特別コースのディナーに行けたら最高だったけど・・・俺たちには、まだ難しいからな。」


「そんなのいいです。ディナーなんか柄じゃないです。」


 どこまでも気遣いの出来る彼が眩しい。


「でもさ~俺は、玲をきちんとパートナーとして扱いたいんだよ。」


  
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