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Sugar Box
第16章 今夜も黒バラを君に。 *前*
「れ、い・・・・・・??」
彼の瞳が濡れている。
「〝運命〟って・・・・・・なんなんですかね、乃さん。」
「玲・・・なんで、名前。」
こんなときまで嫌みったらしくて嫌になった。
「あなたが忘れていること、全部思い出さなきゃ・・・僕もあなたに本当のことを言いません。」
「なに、言って・・・る?」
「あなた、記憶が欠けてるでしょ?」
「なんで、知って・・・・・・」
「さぁ、なんででしょうね。」
にっこりと笑って背中を向ける。
「待て、玲!!」
「〝運命、運命〟って、騒ぐのに肝心なことは判らないんですから・・・」
「どう言う意味だ!あの日を知ってるのか??」
「さようなら、乃さん。」
「玲っ!!」
意味不明な言葉の数々を残して玲は、姿を消した・・・・・・
【 今夜も黒バラを君に。 *前* ━ 終 ━】