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Sugar Box
第17章  今夜も黒バラを君に。 *後*
  


「はっ??」


「でも、すぐに居なくなった。僕が望んだから・・・」


「なに、言ってる?」


「僕、〝妊娠した〟って言われて錯乱しました。たぶん、ですけど・・・。それで気が付いたら子どもは、身体から居なくなっていた。だから僕は、〝アルファとの行為〟も〝妊娠〟もなかったことにした。有り難いことに僕を〝番だ〟って囁いていた方も忘れているようだったし・・・だから全て〝なかったこと〟にしたんです。
 だから、あなたとは・・・〝番えない〟。どうか僕を選ばないで・・・っ簡単に宿った命を棄てられるようなこんな人間を選ばないでっ。
(本能で襲ってきたあなたより・・・僕の方が余程、汚い。)」


 全てを告げた。2人が出逢った場所で。もう軽蔑して去って欲しい。


「っ?!!」


「すまないっ。俺は、なんてことを・・・っ」


  
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