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Sugar Box
第17章 今夜も黒バラを君に。 *後*
「それは、出来ない相談だな・・・玲。」
「っ、・・・なん、で・・・・・・」
「〝思い出した〟って、言えればいいんだけど。本当は、思い出せてない。」
「じゃあ、・・・なんで」
「この気持ちに嘘がないから。俺は、玲を見て胸が高鳴ったし昂《タカ》ぶった。だからっ、嘘じゃないと・・・思ってる。」
「お願いですから・・・僕を放っておいて。」
「それが出来ればいいけど。俺は、玲が好きだ。今でも〝運命の番〟だって思っているよ。
拒む、理由を訊きたい。それすら知らずに諦めるなんて・・・出来ない。」
「じゃあ、教えてあげます。あなたとの子どもが・・・居たんです。はは・・・驚きました?」
「いま、・・・なんて?」
「3年前あなたは、心身共に疲弊していた。本能だけがあなたを生かしてた。僕らは、図らずも通じて〝子どもが出来た〟んですよ。」