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振り向けば…
第9章 もう少しだけ頼むわ…



意外と悠真の服のセンスがいいとか初めて知る。


「可愛いかな?」

「オッチャンに見せたれ。喜ぶぞ。」


普通に悠真が笑って私の頭を撫でてくれる。

少しずつ自分を取り戻して笑える。

晩ご飯を食べてホテルに帰る。

交代でお風呂に入り別々のベッドに入る。


「なぁ…、悠真。」

「ん?」

「起きてる?」

「いや、返事しとるし…。」


悠真が苦笑いをする。


「そんで、なんやねん?」

「寝れないかも…。」

「こっち来いや。」

「えーっ?」

「なんもせんから…。」


呆れながらも悠真が私を自分のベッドに呼ぶ。

悠真のベッドに移動する。

ただ悠真が私の頭を撫でて来る。


「俺に言いたい事があるなら言えや。」


悠真が私にそう言う。

悠真に叱って欲しかったのかもしれない。


「好きでもない人とずるずると付き合ってるとか…、最低だとか思う?」


軽蔑されるとわかってた。


「最低だと来夢がわかってるなら俺が口出しする事じゃない。だけどな…。」

「うん…。」

「自分を傷つける事だけはするな。そんな来夢はオッチャンかて心配するやろ?」

「うん…。」


泣きたかった。

泣けなかった。

だって自分が悪いんだもん。

泣いて悠真に慰めて貰おうなんて思わない。

歯を食いしばって涙を堪えた。

悠真の言う通りだと思った。

避妊してくれる先輩だけど失敗して妊娠なんかすれば洒落にならない。

本当に傷つく前に別れなきゃ。

しっかりと決心を硬めると悠真が


「助けが必要なら、すぐに俺に言えよ。」


と言うてくれる。

頷いて悠真にしがみつくようにして眠った。


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