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振り向けば…
第9章 もう少しだけ頼むわ…
他の人には女々しい自分を見せたくはない先輩なのだとは思う。
「大丈夫か?」
悠真が私の顔を覗き込む。
「先輩…、しつこい!」
「しばらく俺と居ろ。俺が来夢の彼氏や言うたら諦めるやろ?」
「諦めなかったら?」
「大学側に文句言うたる。」
ひとまずは悠真が彼氏です作戦で先輩から逃げる事にした。
これはこれで結構疲れる作戦だ。
その日から悠真と学校に行き悠真とご飯を食べるという生活。
しかも不必要なくらいに悠真がベタベタと私にくっ付いて触って来る。
「今田君と来夢って…、付き合ってるの?」
昼休みのカフェで彩が聞いて来る。
私が答える前に悠真が
「そうだよ。」
と私の髪に鼻を埋めるようにして答えてまう。
彩には事実を言いたいとか思うのに…。
「ちょっと…、やり過ぎじゃない?」
「そのくらいでいいんだよ。」
そう言う悠真が誰かを睨んでる。
カフェの別のテーブルに先輩が居るからだ。
ちょっと寒気がして鳥肌が立つ。
先輩が凄い顔で私を睨んでるのがわかる。
先輩から見れば私はすぐに悠真に乗り換えた悪女。
「ここまでする必要がある?」
家に帰るなり私のベッドに寝転がった悠真に聞いてみた。
「あるよ。」
悠真はニヤニヤとばかりする。
ひとまずベッドに腰掛ける。
「話せば済む事かもしれないよ?」
「その話が通用しなかったんだろ?」
悠真が私の腰を抱く。
「それよりも、もうちょっと恋人らしい態度をアイツに見せつけてやるか?」
調子に乗って悠真の唇が頬に触れた。
「家の中でまで恋人のフリは要らない!」
悠真の顔をベッドに押し付けてやる。