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振り向けば…
第2章 俺を呼べや…



病院で寝てばかりだったから、筋肉が落ちたとお父さんが嘆く。

代わりにお母さんが家に居るようになったから私は悠真の家に行く事がなくなった。

いつの間にか悠真とは話とかしなくなってた。

時々だけどお父さんの会社でバーベキューとかする時だけ悠真を見かける。


「あんなに仲が良かったのに…。」


お母さんが不思議そうに私を見る。

お父さんが帰って来た事で私の中に悠真への罪悪感が生まれてた。

悠真にはお父さんが居ない。

学校から帰ると悠真は1人っきりで留守番をする。

今度はうちのお母さんが悠真を預かると言うたのに、悠真は友達と遊びたいからと、それを断った。

だから悠真とは話をしなくなった。

もう私の不安は無いから…。

お父さんさえ居れば大丈夫だと私は悠真にお父さんに甘える姿を見せつけた。

子供だったと今ならわかる。

悠真をきっと傷つけた。

その報いが2年生の終わりにやって来た。


「また、しばらく悠真の家に行ってくれるか?」


お父さんの言葉に固まった。


「なん…で…?」

「また…、入院するねん。」


お父さんが泣きそうな顔で私を見た。


「行かへん。1人で留守番出来るもん。来人(らいと)のお迎えも出来るもん。おじいちゃんも居るんやから悠真の家には行かへん。」


泣きながらお父さんにそう訴える。

3歳になった弟の来人が保育園に通うようになってからは私とおじいちゃんで迎えに行くのが日課になっていた。


「悠真かて1人で留守番しとるんやから、来夢なら大丈夫やな。」


お父さんが私の頭を撫でて納得をしてくれる。

悠真よりも優等生だったから…。

私は悠真よりもしっかりしているという判断だった。


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