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振り向けば…
第2章 俺を呼べや…



なのに…。

実際にその生活が始まると私の優等生は崩れ落ちる。

来人をおじいちゃんと迎えに行くまでは問題がなく大丈夫だった。

そこから学校の宿題をしようとすると来人が愚図り出したのだ。


「お母さんは…?」

「まだ仕事や。」

「お腹空いた。」

「お姉ちゃん、宿題があるねん。」

「だってお腹空いた!」


来人が我儘を言うてワンワンと泣く。


「おじいちゃんと蕎麦でも食うか?」

「いやや、お母さんに電話して!」


来人の我儘に宿題が進まずにイライラとしてた。


「いい加減にしいや!」


来人を突き飛ばしていた。

そのタイミングにお母さんが帰って来る。


「来夢…、来人に乱暴したらあかんやろ?」


お母さんに叱られた。

その日から私は再び来人とお母さんとは口をきかない子になってた。

堪りかねたお母さんが何故か悠真にうちの鍵を渡す事になる。


「来夢の傍に居てやってくれる?」


悠真は黙って頷いた。

来人をおじいちゃんと迎えに行くと私は黙って宿題をする。

その頃には遊びから帰って来た悠真が来人の面倒を見てくれる。

やっぱりお父さんが買うてくれたテレビゲームを来人と2人でやってる。

私の宿題が終わる頃にやっとお母さんが帰って来る。

平和だった我が家にお母さんがホッとした表情を浮かべる。

だから自然と悠真の晩ご飯はうちで食べるという形になってた。

ご飯が終わるとちゃっかりと悠真が私の宿題を写そうとする。


「2組は今日は算数の宿題やろ?1組は明日が漢字テストやから宿題の内容が違うで…。」

「嘘やん!?算数とかわかるかい。」

「教えたるから、さっさと宿題やって帰れや。」


何故か私が悠真の勉強の面倒を見るようになってた。


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