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振り向けば…
第12章 誰の鍵…?



湯船の中でしゃがみこむ。


「うっ…、うぇぇぇ…。」


泣き声も涙もシャワーが打ち消してくれる。

1時間もシャワーを浴びた私なのに悠真は何も言わんかった。

帰りの新幹線で悠真が私の頭を抱えるようにして肩を抱いてくれる。


「疲れたやろ?寝ててええぞ。」


いつもと変わらない優しい悠真…。

悠真に好かれようとか思うのを止めよう…。

悠真は私の家族…。

大切な存在なのは変わらない。

だから…。

もう、2度と馬鹿な事は止めようと決心した。

家に帰る。

鏡の中に馬鹿な自分が居る。

首筋にも乳房にも、身体のそこら中に悠真に抱かれたという証の跡がある。

しばらく、悠真の顔は見られへん。

悠真を思い出すだけで涙が出る。

悠真に愛されてると自惚れていた自分を嫌悪する。

悠真は家族…。

何度も自分に言い聞かせる。

この涙が枯れたら…。

また笑って悠真と映画やライブに行こう。

私の涙が落ち着くまで三日三晩の時間が必要だった。

幸い、学校でも家でも悠真の姿を見る事はなく、少しずついつもの自分を取り戻す。


「よしっ!」


もう大丈夫と鏡を見て笑う。

虎に噛まれたと思って忘れたらええねん。

悠真はアホやから、きっとすぐに忘れるよ。

馬鹿で子供の私…。

学校で悠真の姿を探す。

どこを探しても悠真が居ない。

振り向けば…。

必ず奴が居た…。

こんな事は初めての事でなんとなく狼狽える。

クリエイターの仕事が忙しいからか?

少し様子をみようかとか考える。

ひと月後…。


「これ…、誰の鍵?」


明らかに我が家の鍵とわかる鍵がテーブルの上に剥き出しのまま置かれてる。


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