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振り向けば…
第2章 俺を呼べや…



「お前ら2人…、仲ええんか悪いんかわからんなぁ。」


お父さんがやっぱり呆れた顔でゲームをする私と悠真をずっと眺めてた。

その夏休みに私の分も携帯を買うて貰らう。

海のバーベキュー、花火大会やお祭り…。

弟の来人は連れて行かない時でもお父さんが悠真と私だけを連れて行ってくれる。

それは夏休みの宿題に夏休みの思い出という作文があるからだ。


「思い出が多過ぎる。」


作文の宿題をしながら悠真がブツブツと文句を言う。


「どれか1つにしたらええやん?」

「いやや、全部書く。航大(こうた)に羨ましいって言わせてやる。」


航大とは悠真の馬鹿友達だ。

いつも悠真以上に勉強をしないで遊んでばかりのお金持ちの子供…。

夏休みの思い出は必ずハワイという航大にライバル意識を燃やす悠真をアホやと思う。


「今年の航大の家族はハワイに飽きたからグアムらしいで…。」

「舐めとるな…。」

「でも、1回は行きたいなぁ…。」

「来夢ん家なら行けるやろ?」


お父さんの病気が無ければね…。

そう言いかけて言葉を飲み込んだ。


「あんな…、お前だけやったら、大人になってから俺がハワイに連れてったるわ。」


悠真がそんな事を言う。


「悠真になんか無理やわ。」

「1人くらいやったら、なんとかなるわい。」

「どうやって行くねん。」

「山ででっかい木を切って、船作って行くねん。」


それはイカダと言わないか?

イカダで太平洋を横断するアホは居らんやろ?

小学3年生の馬鹿な夢…。


「アホばかり言うてんと宿題やれや。」

「来夢…、ここ、間違ってんぞ。」

「嘘っ!?」


いつも私の宿題を写すだけの悠真に計算間違いを指摘されて慌てた。


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