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振り向けば…
第14章 休憩して下さい…



深夜0時…。

清掃業者がやって来る。

店の鍵を渡し、クリーニングポイントの説明をすればやっと私は帰る事が出来る。

今回は椅子やテーブルなどの家具の取り替えはない。

あれば、壁や床に固定されている家具専門の大工の手配が必要になる。

今回はクリーニングで家具を綺麗にする。

この清掃業者は普段からお店のキッチンなどの清掃をしてる業者だから施主側からの手配になる。

清掃完了の予定時刻は朝の6時…。

その時間までに私はこの現場に戻る必要がある。

家に帰りお風呂だけ入る。

コンビニで買うたおにぎりを2つほどお腹の中に入れて眠る。

朝は5時前に起きる。

6時には現場に戻り清掃業者から鍵を返して貰い、お店は再び私の現場になる。

疲れは感じない。

動かせる家具を順番にお店の外へと運び出す。

クロスと床の職人さん達の邪魔にならないようにと段取をしてると


「おはようさん。」


と夕べの職人さん達が次々に現れる。


「お姉ちゃん、帰ってないんか?」

「ちゃんと帰りましたよ。」

「ほな、仕事始めるか。」


私の段取りに職人さん達は満足して、ちゃんと仕事をしてくれる。


「飯に行こか?お姉ちゃんも行こうや。」

「でも…。」


まだ3分の1くらいしか作業が終わってない。

もうお昼時…。


「大丈夫やて、必ず工期は間に合わせたる。現場では休憩と飯が一番大事なんやで…。」


張り切り過ぎて休憩をしてない私を職人さんが叱ってくれる。

職人さん達は経験から夜までに確実に作業は終わると言うてる。

信じるしかない。

これもお父さんから教わった事。

職人さん達は経験だけで意見を言うのだから、必ず信じてやれと学んだ。


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