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振り向けば…
第16章 トイレマット…
無事に現場を仕上げてご機嫌で会社に現場報告書を出した。
「森本さんは彼氏とデートか?」
明日が休みだからご機嫌な私を宮崎さんが冷やかして来る。
「違いますよ!」
「えっ?森本さんは彼氏居ないの?」
「いません…。」
せっかく、ご機嫌だったけど寂しい気持ちになる。
「営業部の男の子達は森本さんに彼氏が居るかって興味津々だったよ?」
ニヤニヤと笑ってオヤジな言い方をする宮崎さんに笑ろうてまう。
「何がおかしい?」
「そういうのは1歩間違えたらセクハラですよ。」
「嘘やん!?彼氏居ないなら営業部で彼氏探せばって言うたらセクハラかい?」
「立派なセクハラです。」
「あちゃー…、怖い時代になったなぁ。」
ボヤきながらも宮崎さんは私の出した書類に問題無しと印鑑を押してくれる。
「お疲れ様でした。」
「良い休暇を…。」
年末とちゃうで?
宮崎さんの親父ギャグに笑いながら会社を出た。
会社を出れば悠真の家に直行する。
「後10分だけ待て…。」
約束のはずの〆切が終わってない。
「ふーん…。」
「大丈夫や!絶対に後10分で終わらしたる!」
ダメだこりゃ…。
こういう時は外食を諦めてスーパーに行く。
どうせ、明日の休みは1日中、外食になる。
悠真の好きなハンバーグの材料とは別に今夜の食材なども買う。
お父さんにしてあげたように悠真にも冷蔵庫や冷凍庫に私が作ったご飯を作り置きしてやってる。
だから週末などは私をご飯に連れてってくれる。
ギブアンドテイク…。
この関係は崩さない。
悠真に甘えるだけの女は悠真の傍には居られない。