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振り向けば…
第16章 トイレマット…
だから悠真の為のご飯をあれこれと作る。
悠真の好きな牛スジの煮込み…。
カレー、シチューは定番で冷凍庫。
ハンバーグを焼いて、それも冷凍庫…。
順番に作っては冷蔵庫に詰め込む。
「終わったぞ。」
ボロボロの悠真が言う。
「2時間待ったわ。」
「すみません、ごめんなさい、でも、ちゃんと終わらせました。許して下さい。」
毎回、思うが謝る時の悠真はしつこいくらいに謝って来る。
「もう、ええから早くお風呂に行って来てや。なんか小汚いで?」
「3日は入ってないからな。」
クンクンと自分の身体を匂う悠真を蹴飛ばした。
普段はお風呂が大好きな悠真…。
わざわざ遠くのスーパー銭湯などにも行きたがる。
その代わり仕事の時はとにかくだらしない。
とりあえず、悠真がお風呂から出る前に本日の晩ご飯を作ってまう。
タラのムニエルに豚汁…。
ほうれん草の胡麻和えのおひたしなども付けて悠真の栄養を考える。
「えっ?カレーちゃうんか?」
お風呂上がりの悠真の最初の一言…。
「カレーは冷凍庫や。」
「カレーや思ったから必死に頑張ったのに…。」
たかがカレーで情けない顔をする。
「悠真の分だけカレー食うか?」
「食う!」
どうせ悠真はご飯をお代りする奴だ。
カレーがまだ凍りつく前だからと出して温めてやるだけで悠真が鼻歌を歌ってる。
「カレーやったら豚汁は要らんか?」
「食うに決まってるやんけ。」
3日間、ろくに食べてなかったのだと感じる。
そこまで無理をして仕事を終わらせてくれた悠真を責める気にはならない。
ご飯を食べながら明日の予定を話したりする。