この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第17章 遠い過去…
新郎新婦のお色直しの後はキャンドルサービスでウェディングドレス姿に変わった玲奈さんが私の横に来てテーブルの上に置かれたキャンドルに火を灯す。
「どう?」
いたずらっ子のように玲奈さんが私にウィンクをして聞いて来る。
「すっごく綺麗です!後でそのまま写真を取らせて下さいね。」
「当然やん。来夢と一緒に撮って貰おうな。」
式場側のプロのカメラマンが居るから私を含めた写真を撮って貰えると玲奈さんが言う。
今も私には優しくて甘いお姉さん。
照れた顔でのケーキカット。
幸せいっぱいの笑顔を浮かべる玲奈さんが羨ましいくらいに美しかった。
まるで雑誌モデルになっても不思議じゃないほどの花嫁姿が似合う玲奈さん。
実際にこの後の話では玲奈さんと日下先輩の結婚式と披露宴のVTRを式場の下見に来た新しいお客様に見せる見本に使いたいとその式場からの申し出があったらしい。
そのくらいに美しい花嫁とお似合いのイケメン新郎というカップルの披露宴。
披露宴が終わっても私は玲奈さんとのツーショット写真を撮って貰ったり、玲奈さんと日下先輩を私の携帯で撮影をしたりと大忙し。
さすがに1時間近く写真を撮ると玲奈さん達がそろそろ親戚が待ってるからと言うので引き出物を貰い式場を出た。
タクシーを拾って帰ろうとした。
ヒラヒラのドレスに引き出物という荷物。
電車に乗るには抵抗のある夕暮れ時。
「お食事にでも行きませんか?ちゃんと帰りは送りますから。」
聞き覚えのある丁寧な誘い。
「あの…。」
「少しだけ…、話をしたいんです。来夢が嫌なら家まで送るだけでもいいですよ。」
弁護士らしい口調の拓也さん。
爽やかな微笑みは変わってない。