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振り向けば…
第3章 他の奴とは行くな…
春休みが終わり中学校に入学すると悠真とは再び口をきかない生活になる。
クラスも違う。
部活も違う。
うちの学校は高校受験の内申点を上げる為に全員が部活を強要される。
必ず3年間は部活をやる事…。
そんな校風に従い私は陸上部を選んだ。
サッカーやテニス、バスケや野球は大会出場の可能性があるからと部活内容もハードになる。
大会出場経験のない陸上部は毎日学校の周りを走るだけの部活だと聞いた。
その程度なら楽勝だと熱血が苦手な私は陸上部。
悠真は何故かパソコン部。
「パソコン部って、週3日しか活動がないんやて。」
クラスの女子からそんな事を聞くと
「あの野郎…。」
と悠真にムカつく私が居た。
悠真は私立に落ちた航大と仲良し小好し。
そこに早川君と高橋君という友達が増えて、ちょっとした有名人になってる。
早川君は駅前商店街の肉屋の息子。
だからあだ名は『肉の早川』とお店の看板、そのままのあだ名を付けられた不幸な奴。
高橋君はサッカー部のエース…。
高橋君が居たら全国に行けるかもしれないと噂になるほどの凄い子…。
綺麗な王子様のような顔立ちで悠真とは大違いなのに悠真達と仲良くつるんでる。
「森本さん…。」
部活のランニング中に隣りに並んだ高橋君に声を掛けられた。
違うクラスの男の子…。
いきなり話掛けられると緊張する。
「何?」
「悠真と連絡取れるんだよね?」
「悠真に?」
「今週の日曜日、俺、部活だから無理だって伝えてくれる?今日はパソコン部はないから悠真はもう帰ったみたいだし…。」
私は伝書鳩か?
「悠真が森本さんに言えば伝わるって言ってたし。」
帰ってから悠真を殺してやるとか考えながら走り続ける。