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振り向けば…
第22章 贅沢…
「社長さん…、変態ですか…?」
女の子が訝しげに私を見る。
「うん、本物の変態。基本的に害はないけど、自分の恋人には網タイツ履かせて鞭と蝋燭を握らせたいって変態だからねぇ。後、スクール水着女子なんかも好みらしい。」
「ひっ!?」
「そういうやつだからさ。普通の女だと付き合いたいなんて絶対に思わんよね。」
「ですね…。」
青ざめた彼女が俯いた。
そして悠真が仕事部屋に戻るや否や。
「社長さん、今日は帰りますぅ。また社の方から連絡すると思います。」
と甘ったるい声を残して、その子は立ち去った。
よしっ!
と私が笑顔を悠真に向けた時…。
ガシッ!
と私の頭を悠真が押さえ付ける。
「誰が変態やと?」
「悠真…。」
「あほか!?願望と性癖は別モンや!俺のは願望だけであって、性癖ではない。」
「同じやろ?」
「やかましい!てか、仕事相手に変態とか変な誤解を招くような事をしやがって…。」
「仕事相手?」
「あの子はクライアント会社の担当者やぞ。」
悠真いわく、その会社の仕事は〆切がキツく報酬単価も悪い割にクリエイターに求めて来るクオリティの高さだけは一流ならしい。
「だから前の担当者の時に仕事を断ったんや。ほんなら新人をわざわざ東京から寄越して来やがって、俺が仕事を承諾するまで帰られへんとか言いやがる。」
会社から悠真に仕事をさせろと命令を受けただけの新人の女の子。
悠真は条件の改善が無ければ仕事をしないと言い続けたが、彼女は仕事をしてくれたら条件を見直すと後出しジャンケンを言う為に話は平行線のまま。
昼から来た彼女が帰らないから他の仕事が出来ない悠真は困って私を呼んだと言う。