この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第27章 重く低い声…
「同窓会のお知らせ見たか?」
「まだや。」
つまりポストはまたしても貯め放題になっとる。
「なんで会館でやるんやろ?」
「さあな…。」
普通ならどこかのお店やホテルだと思う。
なのに同窓会が行われる場所はママさんバレーや子供の剣道教室が行われる地元の会館になってる。
「肉屋と横綱の企画やからな。」
あんまり期待はしない方が良いと悠真が笑う。
それでも久しぶりに会う人達に少しだけワクワクとする。
大人しい優等生をしてた私には特別に親友的な子は居なかった。
それでも少人数という事もあり、全体が仲が良く誰とでも親しくするという感じで嫌いな子などもなく問題も少ない学年だったのは事実。
その同窓会の当日。
「変じゃない?」
「ああ、大丈夫や。」
悠真と一緒に行くとなるとやっぱり緊張する。
服とか出来るだけ悠真の好みにして可愛い自分を演出したくなる。
悠真と行けば皆んながどんな顔をするんだろう?
中学校の時は避けて来た悠真。
今はべったりの悠真。
ちょっと照れ臭くて、悠真に釣り合わないとか思われたくないからと必死にお洒落をする。
「張り切っても、会館やぞ?」
「だって…。」
商店街の傍にある会館まで悠真と歩く。
「森本さん?」
知らない女の人に声をかけられる。
誰だろう。
すっきりとした顔に涼し気な目元の美人。
着物が似合いそうな背の高い女性。
「木村、痩せたな。」
悠真がそう言うから固まった。
横綱っ!?
今はすっかり痩せてすっきり美人になってる。
「思いっきりダイエットしたからな。高校で散々ブス言われて悔しかったから…。」
木村さんが少し嫌な顔をする。