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振り向けば…
第27章 重く低い声…
「社員無しのクリエイティブ?それっていわゆるニートってやつじゃないの?」
現在薬剤師という高給取りの委員長が鼻で笑う。
「全然違うよ。悠真は仕事が選べる立場までになってるもん。」
どんな立場の人だろうと悠真を馬鹿にされたくないと思うた。
「だから、それをニートって世間では言うんよ。仕事を選んでるんやとか言うて仕事しない人。」
「違う。悠真は普通の人の3倍は働いてちゃんと稼いでる。」
「何それ?なら、ユーチューバーみたいなの?」
「違うってば。ちゃんと自分の会社を作って依頼が来たら仕事をしてる。」
段々と委員長相手に口論した状況になってまう。
「あの今田君が?」
「そうだよ。今の悠真は凄いマンションに住んでて家にホームシアターまで付けられるくらいの立派な社長をやってるよ。」
どうだ参ったかと今度は私が鼻を鳴らしてやる。
「だから今の森本さんが今田君にべったりなんだ。」
委員長が意地悪に笑う。
「べったりって…。」
「結構、噂になってるよ。街中を2人でベタベタとして歩いてるって…。」
お母さんの言葉を思い出す。
悠真の家に通い妻みたいな真似をしてたら近所中で噂になるって…。
「別に…、ベタベタなんか…。」
「そお?中学ん時は顔も見るのが嫌だみたいに避けてたのに、今は社長様々だからって必死にアピールしてるみたい。」
確かに中学の時は悠真を避けてた。
委員長みたいな子にすぐにからかわれるのが嫌だったから。
今は違う。
悠真が誰と付き合って結婚とかしても、私は悠真の家族で居たいと思う。
「そんなんやない。悠真はうちの家族やからや。」
お父さんは悠真を息子として我が家に入れた。