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振り向けば…
第28章 シンデレラ…



「その後の今田君はいつもの今田君になって正直にホッとしたの。だけど今田君はそこから、ずっと冷たい態度しかしてくれなくなったから、耐えられなくて私から別れたい言うた。」


内海さんが肩を震わせる。

悠真が嫌いなのは自分を大事にしない女の子。

だから悠真は内海さんに怒ったんだと思う。


「その後は航大に慰めて貰って付き合うてたけど、航大は私が好きとか言うよりも、やりたいだけの男やったからすぐに別れた。」


無理に笑いながら内海さんが昔話をする。


「うん…、わかる。私にも大学の時にそういう彼氏が居ったから。」

「男って最低やんね。」

「うんうん…。」

「だから今田君と別れたの後悔したわ。」

「そうなんや…。」

「今田君みたいな男の子を探して色んな人と付き合うてたら、あっという間にサセコってあだ名を付けられて携帯の番号をネットにまでアップとかされたし。」

「そんな…。」

「だから、もう地味な女になるって決めたの。地味な私でもええ言うてくれる地味な男を探すねん。」


内海さんに何も言えない私が居た。


「なぁ、今度は木村さんと3人だけでゆっくりと会わへん?ゆっくりと昔話とかしたかったし。」

「うん、そうしよう。」


木村さんの連絡先はわかってる。

幹事だから嫌々ながらに2次会に行った木村さんが帰り際に私に携帯の番号を教えてくれた。


「今度、個別でゆっくりと話そうや。」


と木村さんも内海さんと同じ事を言うてた。

凄い変化を遂げた2人にとって、ほとんど変わらずチビなままの私は昔を思い出す懐かしい存在なのかもしれない。

悠真が居ないから内海さんと別れると暗い夜道を自分の家に向かって走ってた。


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