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振り向けば…
第28章 シンデレラ…
その一週間後…。
珍しく悠真から連絡がないから悠真の家にご飯を作りに出掛けた。
いつもの様にカレーやハンバーグの作り置きを悠真の家の冷蔵庫や冷凍庫に詰め込む。
悠真は私が来てる事はわかっとるはずやのに仕事部屋から出て来ない。
〆切り前?
なら一週間か2週間はまともにご飯を食べない悠真になってまう。
夕方になり、悠真の仕事部屋を覗いてみる。
「悠真…。」
「んー?」
パソコンの画面を眺めたままの悠真が生返事を返して来る。
「夕飯やけど…。」
「俺は要らん。来夢だけ食え。」
ぶっきらぼうな返事。
「なら、帰る。冷蔵庫に食料を入れといたから、ちゃんと食べてや。」
「んー…。」
やっぱり生返事…。
諦めて家に帰る。
それから更に2週間…。
悠真からの連絡がない。
さすがに私も狼狽える。
あの時…。
悠真がキレたのは私に対してなの?
恐る恐ると悠真の家に行く。
悠真はまたしても仕事部屋。
ため息をつき、冷蔵庫の確認をする。
心臓が止まりそうになる。
そんな事は有り得ないとか思う。
2週間前に私が作り置きした食事がそのまま冷凍庫に残ってる。
あの大食漢の悠真が…。
私を完全に拒否してる。
そう考えるだけで手が震える。
息が出来ずに台所にへたり込む。
何が悪かったの?
私はどこで間違えた?
ひたすら考える。
悠真がキレた瞬間を…。
あの時、私は委員長に悠真を自慢してた。
アホの悠真が今は凄い男になったのだと…。
その悠真は私の為なら何でもしてくれる男なのだという態度を委員長にとった。
それは悠真の歴代彼女と同じ態度。
『悠真はなんでも得意なの…。』
海で私にそう自慢をした悠真の彼女を思い出す。