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振り向けば…
第28章 シンデレラ…
クリスマスイブの昼間…。
やたらと悠真がご機嫌だ。
悠真の家の私の部屋に箱が山積みにされてる。
「何…、これ?」
「着替えろ。」
「なんで?」
「正装しないと行けない店だから…。」
正装?
よくわからないまま悠真が用意した服に着替えようとする。
「ちょっと待て…。これはなんだ?」
明らかに白いガーターベルトと白い網タイツという下着まで用意されてる。
しかも小さなレースの紐パン…。
お揃いのレースのブラジャー。
どちらもスケスケで付ける意味があるのかと聞きたくなる。
「そこは、やっぱり俺好みにして貰わないと。」
悠真の奢りでご飯に行くだけなのに、そこまでする必要があるのか!?
「いつもの焼き鳥屋でいいです。」
「今日は予約してあんだよ。」
悠真がさっさと着替えろと私を促して部屋を出る。
諦めて悠真好みの下着を身に付ける。
肩のストラップすらないブラジャーに紐パンにガーターベルト…。
クローゼットの扉に付いた姿見の鏡を見て驚愕する。
「やばエロ…。」
これでベビードールでも着てベッドに横たわれば夫を誘う妻の絵が想像出来る。
「まだか?」
悠真の声がする。
「もうちょい!」
叫びながら着替えをする。
水色のタイトなドレス…。
肩が剥き出しで背中のファスナーが遠い。
「ゆう…。」
「なんや…?」
「背中…。」
「留めたる。」
やたらと嬉しそうに悠真が私のファスナーを上げてくれる。
そんなに悠真好みになるって嬉しい事なんか?
時々、よくわからない悠真を見てそう思う。
「後はちゃんとメイクしろ。」
そう言われて苦手なメイクをそれなりにする。