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振り向けば…
第30章 神様…
1分後…。
「おどれは、何を考えとんじゃ!?」
悠真に飛び蹴りする私が居る。
「お前、ありがとう言うて受け取ったやんけ!?」
「やかましい!一回、その脳みそを破壊してやる。」
「死んでまうやんけ。」
「死んで来いや!」
悠真と離れると思うた時に泣きたいとか少しでも考えた自分が馬鹿だったと思い直す。
今はこいつとは離れたいとばかり考える。
「このド変態!」
「可愛いやろ?」
悠真が私の蹴りから逃げ回る。
ぜーぜーと息をして悠真を追いかけ回す私が居る。
悠真の誕生日プレゼント。
紙袋の中身は明らかに小学生用のスクール水着。
本気でそれを私に着せたいと思うて、わざわざ東京で買うて来たとか言う悠真に思いっきりの脱力感を味わう私。
「お前、ほんまにアホ!?」
「間違いなく来夢さんよりかは頭はええぞ?」
「とにかく洗濯を干して寝るぞ。」
既に深夜の2時。
朝の7時には我が家に戻らなければとか考えると、悠真の馬鹿に付き合ってられない。
「着てくれへんのか?」
「とにかく今日は寝ろ!」
悠真を蹴飛ばし、シャワーだけを浴びて悠真の家にある私のベッドに潜り込む。
神様…。
あの変態をどうにかして下さい。
本気で祈りながら眠る事となった。
お正月だというのに朝から携帯のアラームがけたたましく鳴り響く。
ちくしょー…。
完全に寝不足だ。
「悠真!起きろ!」
悠真の寝室に行くと悠真の姿が既にない。
リビングに向かうとカウンターテーブルで優雅にコーヒーを飲む悠真が居る。
「来夢…、腹減った。」
「我慢しろ。ひとまずシーツの交換と洗濯をするから悠真はトイレ掃除くらいしやがれ。」
「えー?正月早々からトイレ掃除とかするか?」
お前が大掃除をしなかったのが悪いんやろうとキレたくなる。