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振り向けば…
第32章 その弁当が…



「溶けた顔しとる。」


そう言うて悠真が私の額にキスをする。


「ゆう…。」

「今日はもうせえへん。これ以上やったらお前、明日は会社に行けなくなるぞ。」


私の頭を撫でながら悠真が私を抱きしめる。

本当は悠真は私とやりたいのかもと考える。

私の仕事が休みなら…。

無茶をしてでも抱いたのかもしれないと悠真から感じる。


「悠真…。」

「ん?」

「好きだよ。」

「ああ、わかっとる。」


そのまま、その日は悠真に抱っこされて昼寝をする。

1日中、寝てるだけの休日。

夜は悠真と焼肉を食べに行く。


「しっかり食うて仕事頑張れよ。」

「うん…。」


私の身体を常に心配してくれている。

家まで送って貰ってから自分の部屋で1人になると悠真の家に帰りたいと思う私が居た。

翌日から通常勤務。

と言いたいけれども社員は半分しか出勤してないのが事実だ。

うちの会社の方針で無茶な仕事はしないというゴールデンウィークの中日は有給休暇を取ってもあまり文句は言われない。

その代わり現場で緊急が発生すれば、例え有給中でも呼び出しは免れない。

だから休みを取るのはもっぱら営業部の人ばかりで工事部の人は出勤する。


「安全確認だけはくれぐれもお願いします。」


社長さんがそう言うて私達を現場に送り出す。

連休の中日は無理に現場を進めない。

中途半端に工事をしても再び来る連休に現場は止まるのだから雨などの被害を受けたりする可能性を考えればあまり動かさないのが無難になる。

それでも2日程度で出来る仕事はやってしまうようにするから現場の人は少ないにしても現場は確実に動いてる。


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