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振り向けば…
第34章 えへへ…
私にわかるのは走る車が日本車ではないという事くらいで、やたら小さな車が随分と早いなとか思う程度の事だ。
「これ、何のレース?」
「アマチュアのレースらしい…。」
「全部、輸入車?」
「らしいぞ。それを改造して走らせるマニアなレースって聞いた。」
「誰から?」
私がそう聞いた瞬間だった。
「僕から…。」
と私の背後から声がする。
悠真と同時に振り返ると爽やかに白いポロシャツを着た30代くらいの男の人が悠真を見る。
「今田さんが来てるって聞いたから。」
「雨やったんで予定を変更したんです。」
悠真とその人が会話をする。
「悠真?」
知り合いなのかを聞いてみる。
私と同時に、その知らない人が
「今田さんの彼女?」
と悠真に聞く。
悠真は苦笑いを見せてから
「車屋の社長さん。去年、何回か社長さんの会社の仕事をしたんや。この子は親戚みたいなもんや。」
と社長さんと私に同時に説明をする。
「車屋さん?」
車を買わない悠真が?
違和感だけを感じる。
「うちの車、早いでしょ?今、タイムトライアルでトップですよ。」
レースの内容を社長さんが説明してくれる。
お弁当を食べなから悠真と私はその社長さんの話を聞く。
相馬(そうま)社長さん…。
自動車の輸入会社の社長さん。
趣味でアマチュアレースに参加しては自社の車の宣伝をしてると言う。
「車に興味はないですか?」
相馬さんが聞いて来る。
「来夢は自分の車に乗ってるよ。今日もこいつの車でここまで来たから。」
「だったら、今田さんも車を買いましょうよ。」
「こいつの車があるから俺は必要ないです。」
そんな会話を悠真と相馬さんがする。