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振り向けば…
第36章 ええ男やのに…
10分もせずに悠真が部屋にやって来る。
「何があった?」
私を心配する声…。
悠真にしがみついて泣く。
「大丈夫やから。ちゃんと説明せえや。」
私を落ち着かせる為に背中を叩くようにして撫でながら私の状況を聞いて来る。
「気持ち悪い…。」
そう言うてコンビニの袋のおにぎりの事を説明して今回の紙袋を悠真に見せた。
「ストーカーか?」
「わかんない。」
「来夢…、拓也さんに連絡しろ。」
「拓也さん?」
何故、悠真が今更に拓也さんへ連絡しろと言うのかがわからんまま私は泣きじゃくりながら拓也さんに電話をする。
『来夢…?どうかしたの?』
電話に出た拓也さんも私を心配する声を出す。
私は泣きながらだから上手く拓也さんに自分の状況を説明が出来ない。
「電話を貸せ。」
悠真が私の携帯を取り上げる。
「お久しぶりです。」
その後は悠真が拓也さんに私の状況を話してくれた。
しばらく悠真が拓也さんと話すのを泣きながら聞くだけしか出来なかった。
「今夜は俺が付き添います。」
そんな事を言うて悠真が電話を切る。
「来夢…、明日の仕事は遅いんか?」
「今日と同じくらい…。」
今の私が受け持つ現場は3つ。
どの現場も安定をして工期が進んでるから余程の事がない限りは定時で帰れる仕事になる。
「拓也さんと会うて飯に行くぞ。会社が終わったら、この部屋に帰らずに俺の家に迎えに来い。」
悠真がそう言うから頷いた。
だけどストーカーと拓也さんの因果関係が私にはわからない。
「飯は?」
「作る…。」
「俺の分も出来るか?」
「うん…。」
少し落ち着いたから2人分のご飯を作る。