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振り向けば…
第36章 ええ男やのに…
悠真とご飯を食べながら聞いてみる。
「拓也さんと会うてどうするの?」
「拓也さんは弁護士やろ?ストーカー事件とか弁護士を入れてから警察に言わんと警察はなかなか動いてくれへんねん。」
「警察に言うの?」
「言わんと危険かもしれんやろ?」
悠真の言葉に怖くなる。
「最悪は俺の部屋に来るか、オッチャンところに帰るべきやぞ。」
「やだ…。」
「あんな、来夢…。世の中にはストーカーに殺された子も居るんやぞ?」
「だって、ストーカーってまだ決まってないやん。」
「ゴミ袋を漁られた段階で充分に怖い思いしたんちゃうんか?」
「怖いから悠真を呼んだんやろ。」
そこまで言うと悠真が肩をガックリとさせて項垂れる。
「24時間は見張ってやれんねんぞ。」
「わかっとるもん。」
せっかくの一人暮らし…。
ここで逃げ出したら自分が悠真や親に甘えてるだけのダメな女になりそうな気がする。
世間様じゃ一人暮らしの女の子は山の様に居るんだから、私だってもっとしっかりとして頑張れば半年くらいは乗り切れるはず。
悠真はひたすら私の心配を繰り返す。
「とにかく、今日はさっさと寝ろ。明日も来夢は仕事やろ?」
そう言いながら悠真が携帯の画面を弄り出す。
家にあるパソコンと連動させてるとか言うてた。
つまり悠真にも本当は仕事があるのだと思う。
だから朝は少し早く起きて悠真の為に卵焼きで朝ご飯を用意する。
「気を付けて行けよ。」
「うん…。」
今日はゴミ出しの日だから私がゴミを出した後は悠真が私のゴミを見張ると言う。
怪しい人が居れば、その場で警察に通報する。
そんな事までやってくれる悠真が居て良かったとホッとしながら会社に向かった。