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振り向けば…
第36章 ええ男やのに…



ご飯は私が好きなお好み焼き…。

服は何故か悠真好みで買う事になる。


「何故…、お前の好み…?」

「俺が金を出すから?」


しれっとスポンサーの強みを見せて来る。

海斗さんもスポンサー様にだけは絶対に逆らえないと言うてたから世の中とは何よりもお金が一番強いのだとか考える。


「あざーっす!」


悠真が買うてくれた服をしっかりと受け取り、かなり雑にお礼を言うてやる。


「気持ちが入ってねぇよ。」


悠真が私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。


「止めてぇや。」

「結構、伸びたな?伸ばすんか?」

「いや、今週末には切りに行く。」


引越しやらストーカー騒ぎでバタバタとしてた為に髪を切りに行く暇がなかっただけ…。

現場仕事の私は普段なら前下がり気味のショートボブにしているけど、今は割と伸びて後ろで髪が括れるほどまでなってもうた。


「もう少し軽い色にしようかな?」

「ええと思う。もう少し軽いくらいの方が来夢に似合うやろ。」


今まで染めたりした事がない。

髪を染めるとお父さんが狼狽えるから…。

私が不良になる事に怯えるお父さんだ。

そんな風に私にとびきり過保護なお父さんの事をすっかりと忘れてた。

平日にいつものように仕事を済ませて買い物をして家に帰ると私の部屋の前には若い男が立ってるのが目に入る。


「ひっ!」

「自分の弟に悲鳴を上げんなや。」


部屋の前に居たのは来人…。


「何しに来たん?」

「とにかく鍵を早く開けろ。」


私を見下ろして偉そうに言う弟が嫌いだ。

医学部というご立派な学歴を持つ弟は小さな私をいつも馬鹿にしたような目で見る可愛くない弟だ。


「だから、何しに来たんよ。」


鍵を開けて部屋の中へと来人を居れてた。


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