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振り向けば…
第37章 怖いよ…



私は悠真の性的欲求を解消する為だけの存在。

もしかしたら愛されてるとか思うたのは私の勘違い。

私だけが特別な存在だと感じたのも勘違い。

常にギブアンドテイクだっただけの悠真。

私を抱く代わりに私に激甘で私の為に尽くしてくれただけの事…。

そこには悠真が私の為にとか私を喜ばせたいとか、私と2人で幸せを楽しみたいとかの感情はほとんど持ち合わせていないのだという事実を今更に突きつけられた私は動けない。


『今すぐに悠真に話したい事がある。』


悠真にメッセージを送る。


『どうした?』


悠真からの返事が来る。

それをわざとスルーする。

もう夜の10時…。

いつもの私なら、そろそろ寝る時間…。

明日もまだ会社に通勤がある。

しかし、こんな気持ちで眠れる訳がない。

悠真を試すように私は動けない。

10分もすれば私の部屋の扉が開く。


「おまっ!スルーすんなや!」


叫び声を上げて悠真が私の部屋に転がり込む。

私はベッドから動けない。


「何があった?」


私を心配する声。

だけど本当は私の心配なんかしてないのかもしれないと思うと涙が出る。


「来夢!?」


悠真が私の顔を撫でる。

だから私は聞くしかない。


「眠れ…ないんか?」


私の質問に悠真の手が止まる。

目を見開いて怯えた顔を私に向ける。


「誰…から、聞いた…?」


絞り出すような声…。

そんなに私には知られたくなかったかと私の心が傷付いていく。

悠真と付き合えば悠真が私を傷付けると言うてた意味がよくわかる。


「来人…。」

「そうか…。」


悠真が俯いた。

私以外の誰もが知ってたのだと理解をした。


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