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振り向けば…
第37章 怖いよ…
悠真の言葉に笑う私が居る。
本当に馬鹿な人…。
私の感情が理解出来ないから、そんな考え方しか出来ないアホ男…。
悠真のお母さんがなかなか一緒に暮らしてくれないのも悠真に感情がないせいだと勝手に思い込んでる。
だって悠真には人の感情が理解出来ないのだから。
わかってしまえば単純な事だと私は割り切ってまう。
悠真が私に怯えた顔をするのは私を傷付ける事に怯えてるのだとお父さんが言うてた言葉を再確認した。
『いつか…、お前らにもわかるって…。』
そんなお父さんの言葉が私の中で蘇る。
今、わかったと思う。
内弁慶で私は悠真にしか私の感情を見せなかった。
他人にはほとんど感情を見せない私。
歴代の彼氏すら私の無表情に不安を感じてた。
悠真はそんな私を自分に近い存在に感じたのだ。
愛してるから私を抱いた訳じゃない。
ただ頭で可愛いと感じると私を抱きたくなる悠真なのだと悠真の事を理解出来る。
セフレじゃないと悠真が言うてた。
そりゃそうだ。
他人がジャガイモにしか見えてない悠真が唯一可愛いと感じる女が私なのだから。
だから私は確認する。
「私は悠真の家族か?」
悠真がやっと私を見る。
「来夢は俺の大事な家族や。」
それが唯一の繋がりだと思う。
感情がわからない悠真にとっての唯一の繋がり。
「今日はもう寝るぞ。」
「へ?」
「明日、私は会社やねん。」
「なら、俺は帰るから…。」
「やかましい!さっさと寝るぞ。」
「来夢…、風呂は?」
「朝、シャワー浴びるから起こせ。」
無理矢理に悠真と寝る。
私となら眠れると言う悠真を少しでも眠らせてやるのが私の家族としての愛情だと思う。