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振り向けば…
第38章 なんか変…
段々と悠真の不機嫌が増していく。
あまりやり過ぎて怒らせるのはよくないと私はわかってる。
「大人の時間なんやろ?悠真の行きたいところに付き合ったるから行こうや。」
ご飯でも何でも行くつもりで悠真に言うてやる。
「大人の時間やな。」
悠真が私に確認する。
好きにしろや。
笑うしかない。
その笑いは20分後には消えてまう。
「お前って奴は…。」
今度は私が怒りに震えてた。
「大人の時間やろ?」
悠真がニヤリと笑ってご機嫌になる。
悠真が向かった先はラブホテル…。
「悠真!」
「お前のマンション、音がダダ漏れやから迂闊にお前を抱いたり出来へんやんけ。」
だから何故、いつも話が私を抱く前提なんだと思う。
恋人じゃない。
私にまともな恋人を作れと言うくせに…。
まともじゃない悠真が私を身体で繋ぎ止める。
部屋を悠真が選び、廊下の案内パネルに従ってホテルの中を部屋に向かって移動する。
「こんな風になってんのか…。」
悠真が不思議そうな顔でラブホテルの中をジロジロと見学する。
「悠真、来た事ないんか?」
「来夢はあるんか?」
大学の時の嫌な思い出が蘇る。
あの地獄の時期はラブホテル三昧だったと悠真に言うしかない。
「ふーん、俺は初めて。なんかもっと汚いイメージがあったから俺の場合は絶対に寝れなくなる。」
不眠症の悠真は常に高級ホテル。
なんとなくムカつく。
いわゆる安物の彼氏はラブホテルなんや!
フンッと悠真からそっぽを向いて部屋に入ってみる。
窓のない部屋。
お風呂は丸見えで天井には鏡という当たり前のラブホテルの部屋。