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振り向けば…
第38章 なんか変…



「明日も休みやろ?」


悠真がニヤニヤとして聞いて来る。


「まさか泊まるつもりか!?」


連休ではあるから泊まる事に問題はない。


「最近の来夢は俺の為の時間をくれへんからな。」


背後から私を抱きしめて悠真が文句を言う。

だって、彼氏とちゃうんやからお互いに束縛はしない関係やん?

文句を言いたいのは私の方だ。

悠真には普通の人の感情や感覚がないと理解をしてからは泣きたくなる自分は感じない。

その代わりに悠真を理解してやりたい自分が居る。

どうすれば私が傷付く事がないのだと悠真に理解させる事が出来るのだろう?

私を腫れ物のように扱う悠真にそれをわからせたいとばかり考える。

悠真の激甘に甘えてるだけじゃダメなんだと思う。


「ゆう…。」

「ん?」

「愛してる。」

「うん…。」


鏡の向こうに切ない顔をする悠真が見える。

私の愛情に応えられない悠真が困ってるのだ。


「嘘でもええから愛してるって言えや。」

「本当に嘘でもええんか?」


嘘は嫌だ。

ムードだけの為の言葉は意味がない事を映画好きの悠真は理解をしてる。

嘘臭い恋愛映画は好みじゃないと悠真が言う。

実録的な映画を好む悠真。

悠真に愛情をわからせるには身体で示すしかない。


「ならキスして…。」

「ん…。」


深いキスをしてくれる。

愛情を感じるキス…。

悠真の感情表現はこういうやり方なんだと私の方が慣れてやるしかない。


「俺の為の時間をくれや。」


私のブラウスのボタンを外しながら悠真が言う。

私が誰かの為にばかり時間を使うと不安になる悠真が居る。

仕事…。

唯ちゃん…。

両親や友達…。

最近はそんな時間ばかりでおばちゃんと暮らす悠真の時間はお預け気味だった。


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