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振り向けば…
第39章 長いな…
ただし、それが通用するのは家族だけ…。
他人だと悠真が判断すれば一気に私を突き放す。
「ゆうっ!」
「ん?」
「帰ったらやだ。」
「けど、俺が居らん方がええんやろ?」
「そうじゃなくて…。」
女との付き合い方すらわかってない。
歴代恋人に呼び出されれば、その恋人の我儘を聞いて抱いたら直ぐにさよならを繰り返して来た悠真には私と恋愛をする意味すらわかってない。
「悠真…、SEXだけが愛情じゃないよ。」
悠真に理解を求めてまう。
「それが俺にはわからん。」
自信を失くして俯く悠真が嫌いだと思う。
私が病気を知る前はいつだって余裕たっぷりで自信のある悠真しか見せて来なかった。
今は病気を知った私が離れてしまうかもと自信を失くす悠真ばかりを見せて来る。
だから少しでも私の愛情を確認しようと私を抱きたがる悠真になる。
「前にも言うたやん。SEXだけの男は嫌だって…。」
私の中のトラウマ。
「けど…。」
悠真が言葉を詰まらせる。
けど…、愛情が理解出来ない男はどうやって女の愛情を確認すればええんや?
悠真が聞きたい事は私には伝わって来る。
「キスして、傍に居て、愛してると思うて幸せな気分になるだけで満足な時だってあるんや。」
「俺はそんな感覚になった事がないからな。」
冷たい声…。
冷たい目で私を見る。
「ゆう…、キスして…。」
「ん…。」
生返事をしながら私にキスをする。
感じる悠真の体温。
優しいキス…。
聞こえる悠真の鼓動。
それだけで満足なのに…。
「ゆう…。」
「ん?」
「好きだよ。」
「ん…。」
「だから傍に居てよ。」
悠真がため息をつく。