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振り向けば…
第39章 長いな…



神様…。

お願い…。

悠真を助けて…。

ひたすら私はそれだけを願う。

雲龍図なんかどうでもええ気分のまま私は本堂でひたすら神に願い続ける。

お願いだから…。

私の願いは神様には届かない願いだった。

次に向かうのは京都御所の外苑エリアにある相国寺。

嵐山や東福寺の雲龍図に比べると古びて色褪せたセピア色の雲龍図。


「ちょっと迫力にかけるよね?」


そう聞いた私の目の前で

パンッ!

と悠真が手を叩く。


「何してんの?」

「音が共鳴するらしい。だから、ここの雲龍図は鳴き龍とも呼ばれてる。」

「そうなんか?」


悠真を真似してパンッと手を叩いてみる。

確かに音が響き渡る。


「よく知ってたな?」


何気なく悠真に聞いてみた。


「夕べ、調べたからな。」


天井の龍を眺めたまま悠真が呟くように答える。


「ゆう!」

「ん?」

「まさかまた夕べは寝てないんか?」

「少しは寝たぞ。」


お願いだから眠って欲しい。

眠らなければ、ますますおかしくなりそうだ。


「薬とかじゃあかんの?」

「睡眠導入剤やろ?同じや。1時間もしたら必ず目が覚めるからな。」


もっとキツい薬があるらしい。

当時の悠真はまだ子供だった事から服用をする事を躊躇い、結局は病院自体に通わなくなった。


「もう一度、病院に行かへん?」

「無駄や。俺が精神不安やとか言うてええ加減な診察しかせん医者ばかりやぞ?」


それは来人も言うてた。

不眠の判断は精神科に任せる事になる。

しかし精神科はまだまだ大まかな治療しか確立出来てない分野だと。

不眠や精神不安は個別の患者によって個体差が出るのだから、段階治療と呼ばれる長期的治療でお試しみたいな治療しか出来ない。


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