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振り向けば…
第41章 ただいま…



年末の仕事納めまでは悠真の事は忘れて仕事だけに集中する。


「ねぇ…、森本さん…。忘年会は付き合うっすよね。」


張り切る修斗君が聞いて来る。


「社内のだけよ。」


仕事納めの日に社長さんが社内でお寿司やビールを振る舞うだけの忘年会。

事務員のおばさん達は家族があるから早く帰りたがる人が多い。

しかも、社長さんが用意したお寿司を


「どうせ余って捨てる事になるんだから。」


と言うてタッパーに詰めて帰ってまうおばさん達。

その為に営業部の人や工事部の人で外の居酒屋などで忘年会のやり直しをしてるのは知ってる。

それに参加しないのかと修斗君が朝からうるさいくらいで仕事に影響はない。


「忙しいの。」


そう言うて仕事に集中するフリをする。

今夜は久しぶりに家族のところへ帰るから…。

お父さん、お母さん、そして弟が居る家へ。

久しぶりに家族が揃う。

残念だけどほとんど付き合いのない会社の人達と飲み会をする気分じゃない。


「お疲れ様でした。来年もよろしくお願いします。」


社長さんと専務さんに頭を下げる。

今年は社長さん夫婦と専務さんの家族で年越しは韓国に旅行をするらしい。


「良い年を…。お土産に期待しててな。」


専務さんが私にそう言うから社長さんがアタフタとし始める。


「森本さんだけを特別扱いで良いお土産を買う訳にはいかんやろ?」


私にお土産を買うなら事務員さんや他の社員さんにもお土産が必要になる。

小さな会社とはいえ大人数に良いお土産を用意する事は難しい。

クスクスと笑いながら


「期待はしてませんから。」


と社長さんと専務さんに言うてから会社を出た。


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